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これまでの株主提案

2010年〜2016年の株主提案

 

2016年(第92期)の脱原発 株主提案

(2015年4月~2016年3月期)

 

 【その1】

第4号議案  定款一部変更の件(1)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第7章 福島原発事故被害者救済

第45条 本会社は,これまで地域独占の公益企業として,また,原子力発電事業者として長年国の政策的支援の下利益を得て,原子力発電推進の役割を担って来たことから,その道義的責任の一環として福島原発事故の被害の救済に係る非営利活動のために,直近の事業年度末時点における剰余金の25%に相当する金額を翌事業年度中に支出する。

◆提案の理由

本会社は,国の優遇策の下で危険な原子力発電を操業し,長年利益を得てきた。また,電気事業連合会に資金を拠出し,原子力安全神話作りにも積極的に加担してきた。

一方,福島原発事故の被害者は,放射能汚染という実害を受けたにも関わらず,十分な損害賠償も受けられないまま,生活支援も打ち切られ,切り捨てられようとしている 。しかも,故郷やコミュニティの喪失,将来の健康被害への不安といった賠償の対象とならない被害への手当は殆どなされていないのが現状だ。

本会社は,既に原子力損害賠償・廃炉等支援機構へ一般負担金等として平成26年度分まで四百億円弱の資金を拠出しているが,多くは福島原発の収束作業の費用に充てられ,被害者の救済は進んでいない。

本会社は2年前の電気料金値上げにより安定的な収益を確保し,石油価格の下落で発電コストも圧縮できている。故に,剰余金の25%を社会的貢献として被害者の救済に充てることを提案する。

 

【その2】

第5号議案  定款一部変更の件(2)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第8章 浜岡原子力発電所の廃止

第46条 本会社は,地元住民の同意の得られない浜岡原子力発電所を再稼働させることなく,速やかに廃止する。

◆提案の理由

本会社は,浜岡原発の新規制基準への対策工事を4号機は今年9月,3号機は来年9月に完了する予定だ。ともに原子力規制委員会での審査を終え次第,地元了解を得て再稼働するという。

しかし,裁判では緩すぎる基準だとの指摘もある国の審査を仮に通ったとしても,想定外によって起こる事故の確率がどれほど低減できるのか,国民の多くは不信感を払拭できずにいる。ましてや将来確実に起きる大地震の震源域内にある原発は全国でも浜岡だけだ。

当原発に対しては,地元住民らによる運転差止めや廃炉を求める3つの裁判が係争中である。

また地元市町や静岡県内の住民は,世論調査でも常に過半数が浜岡原発の再稼働には反対又は慎重な意見だ。隣接する牧之原市では,議会が永久停止の決議を上げ, 市長も同様の姿勢である。

民意に反して再稼働を強行すれば,地域の中で混乱が続くであろう。

原発震災の恐怖と隣り合わせで暮らす住民の声は真摯に受け入れるべきである。

【その3】

第6号議案  定款一部変更の件(3)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第9章 南海トラフ巨大地震に対する危機管理対策

第47条 本会社は,南海トラフ巨大地震・津波により,当社所有の施設が他者に危害を及ぼすことのないよう万全の対策を講じなければならない。

② 万全の対策を講じることができない設備は使用しない。

◆提案の理由

本会社は,浜岡原子力発電所3,4,5号機について,再稼働を前提とした対策工事を行っているが,新規制基準でも設置が義務づけられた緊急時対策所については,福島原発事故以前に完成していた免震重要棟では放射線の遮蔽が不十分であることから,隣接地に遮蔽の基準を満たす施設を増築中である。

しかし,この施設は免震構造ではない。新規制基準が求める放射線遮蔽効果を得るために壁を厚くすると,免震構造にするのが困難だからだ。

緊急時対策所は,中央制御室が使用できなくなった場合にも使うものであり,原子炉建屋と同等の耐震性だけでは不十分である。東北地方太平洋地震と同様,南海トラフ地震でもM8クラスを含めた余震の頻発にも当然備えなければならない。放射線遮蔽効果と免震性能をともに有する緊急時対策所が建設できないような場所は,そもそも立地不適と考えるべきである。万全の対策を講ずることができない浜岡原発は使用してはならない。

 

【その4】

第7号議案  定款一部変更の件(4)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第10章 使用済み核燃料再処理

第48条 浜岡原子力発電所から発生する使用済み核燃料の再処理を禁止する。

② 使用済み核燃料の発生量に応じて義務づけられている再処理費用の積立ては,使用済み核燃料を今後発生させないことにより中止する。

③ 既に発生した使用済み核燃料の再処理は事業者に中止を申し入れる。

④ 既に再処理により分離されたプルトニウムは,国の責任で安全に管理保管するよう要請し,割高なMOX燃料として使用しない。

◆提案の理由

今年から,全ての使用済み核燃料の再処理費用を外部の認可法人「使用済燃料再処理機構」に拠出することが義務づけられた。この法改正は,電力全面自由化による競争環境下で,原子力事業者の経営が破綻し,再処理から撤退するのを防ぐためのものだ。

しかし,再処理にもはや何の合理性もないことは多くの国民も知っている。六ヶ所再処理工場の当初の建設費8千億円は既に約2兆2千億円に達し,竣工前のトラブル続きで更に膨張を続けている。

2003年の夏には,本会社を含む3電力の幹部が国と秘密の会合を開き,再処理工場からの撤退シナリオについて真剣に協議していたことが明らかになっている。3社も国も,再処理はやめたいと思っていたのに,政策破綻の責任を相手方に押し付けようとして結局決断できなかった。そのツケが,今でも電力生産とは関係のない無駄金を浪費しつづけ,エネルギー政策全体を歪める原因となっている。

再処理からは決別すべきだ。

 

【その5】

 第8号議案 定款一部変更の件(5)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第11章 広報活動

第49条 本会社は,公正,適正な広報活動に努め,消費者に誤解や不快感を与える表現をしないように,広報宣伝に係る自主的なルールを定めることとする。

② 消費者からの意見や苦情などに対しては,不明な点や誤解については誠意をもって説明し,誤りであればきちんと謝罪し真摯に対応することにより,社会的信用の向上に努める。

◆提案の理由

最近,CMや新聞・雑誌などへの広告等広報宣伝の機会が増えている。特に原子力発電については一方的な宣伝が目につく。

昨年は,契約者全戸に配布する検針票の裏面に,原子力発電に伴う使用済み燃料のリサイクル率や高レベル核廃棄物の地層処分技術について虚偽の説明を掲載し,多数の市民から苦情を受けるということがあった。

最近の新聞広告でも,原子力を「準国産」エネルギーと称し,100%輸入のウラン燃料を国産であるかのように誤解させる表現がある。

又,浜岡原発の安全対策については,「従来から最新の知見を反映して」いると宣伝しているが,津波の数値評価に倍半分のばらつきがあることは震災前から常識であり,設計津波の1.5倍で水没することを2000年には知りつつ対策を怠ってきた。

今後,浜岡原発の再稼働への住民同意を取りつけるために,前のめりの広報を行うことが危惧されるが,露骨な宣伝は却って会社の信頼を損ねるものである。

 


2015年(第91期)の脱原発 株主提案

(2014年4月~2015年3月期)

 

 【その1】

第○号議案  定款一部変更の件(1)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 コンプライアンスの徹底

第○条 本会社は,社会からの高い信頼と支持を得るため,コンプライアンスに則って行動する。特に以下の各号に違背することのない企業風土を醸成し,関連会社にもその姿勢を求めていく。

1 お客さま,取引先,地域の皆様には,公正・誠実に対応する。また,人権の尊重及び地球環境の保全には特に留意して業務を行うこととする。

2 情報開示に努め,説明責任を果たしていく。

3 個人の権利利益の保護を目的とする個人情報保護法の趣旨に則り,個人情報の収集,利用及び管理を,適正に行う。

4 政治・行政等との健全な関係を保持し,事業活動の適正さに疑いを招くような行動は行わない。

5 労働安全・衛生,および保安の確保・維持を徹底する。

◆提案の理由

電力の自由化が進んでいく中,長年の地域独占事業の企業風土を抜本的に改め,「選んで頂ける会社」を目指して自己変革を遂げていかねばならない。「中部電力グループCSR宣言」として外部発信してはいるが,まだ当社及びグループ企業全体に徹底されていない。定款に定めることで,信頼され,選択される企業への脱皮を内外に示していくときである。

昨年,グループ企業による不適切な個人情報の取得と提供が明るみに出た。大型風車による健康被害を心配する住民への「対策」として,個人情報保護法の趣旨に違背する「意見交換」が岐阜県警大垣警察署との間で行われた。恒常的にその退職者を受け入れている岐阜県警と当社岐阜支店との不健全ともいえる親密さがもたらした弊害である。どんな事業を進めるにあたっても,人権を尊重し,地球環境の保全に努め,情報開示を通して透明性を高め,説明責任を果たしていくことこそ,地域住民の信頼を得る早道である。

【その2】

第○号議案  定款一部変更の件(2)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 電力小売り全面自由化への対応

第○条 本会社は,電力小売全面自由化に対応するため,消費者への情報開示を積極的に行う。

◆提案の理由

来年4月の電力の小売り全面自由化で,事業者間の競争がこれまで以上に激化することが予想される。地域独占により維持していた顧客を守るには,良質なサービスと低廉な電力を提供することはもちろんのこと,消費者が求める情報を積極的に開示し,納得の上で契約してもらうことが肝要である。

既に「再エネ発電促進賦課金」と「燃料費調整額」は毎月消費者にも知らされているが,今後は当社が供給する電力の月毎の電源構成のほか,「使用済燃料再処理引当金及び準備引当金」「原子力発電施設解体引当金」「特定放射性廃棄物処分費」「原子力損害賠償・廃炉等支援機構への一般負担金」「託送料」等内訳を通知する。それにより,原子力発電の後始末の費用についての理解が深まるとともに,消費者のニーズをつかみ経営に反映させることも可能となる。開示義務のある情報だけでなく,自主的な取組みにより事業の透明性を高め,消費者の信頼を得ることの利点は大きい。

【その3】

第○号議案  定款一部変更の件(3)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 浜岡原子力発電所の立地不適宣言

第○条 本会社は,浜岡原発サイトが,地震,津波,火山などの危険地帯に属し,原則的立地条件に適合しないことを広く明らかにするために,以下の宣言を行う。

「浜岡原子力発電所の立地不適宣言」

本会社の保有する唯一の原子力発電所「浜岡原発」は,1号機の運転開始とほぼ同時に提起され,1978年には「大規模地震対策特別措置法」を制定して国を挙げて警戒してきた「想定東海地震」の震源域内に位置する。しかし本会社では,原発が地震により過酷事故に至ることはないと確信して,2005年までに5基の原発を完工してきた。

幸い未だ南海トラフで想定される巨大地震は発生していないものの,2011年日本海溝沿いで大地震・大津波が発生し,福島第一原発において「従来の『立地審査指針』で想定していた事故の規模を上回る事故が発生した(規制委員会)」。長年,本会社に向けられてきた『原発震災』の警告が杞憂ではなかったことを,東京電力が証明したのである。

以来4年を経過しても未だに困難を極める事故対応や,福島県をはじめ原発震災のもたらした広域にわたる被害と多額の損失を視れば,立地審査指針を蔑ろにしてきたことの過ちは自明である。同指針では,原則的立地条件として「大きな事故の誘引となるような事象が過去においてなかったことはもちろん,将来においてもあるとは考えられないこと。また災害を拡大するような事象も少ないこと。」,基本的目標として「仮想事故の発生を仮想しても,周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないこと。」を明記している。

まして浜岡原発は,震源から100キロ以上隔たった福島原発とは異なり,震源断層からわずか15キロほどの至近距離に立地する。近年は,火山噴火やテロの攻撃なども指摘されているが,御嶽山から150キロ余に位置し,富士・箱根から100キロ前後と,新基準の火山ガイドで考慮すべき160キロの範囲内に12の火山を抱く浜岡原発は,火山噴火の面でも立地不適である。

これら立地不適に対する新規制行政の指導は,地元自治体への避難計画作成であり,本末転倒である。「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり,これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である(福井地裁 大飯原発3・4号機運転差止め訴訟判決)」。

例え建設後であっても,立地審査指針に抵触していることが明らかになった時点で,本会社は引き返すべきであった。ここに決断の先送りを恥じるとともに,遅ればせながら地元に真実を明らかにし,心より謝罪するものである。

◆提案の理由

世界で最も危険な立地と言われてきた浜岡原発。加えて5号機地盤の異常増幅が2009年駿河湾地震により判明している。2008年末の1・2号機廃炉決定,2011年5月の全基停止決定に続き,3度目の英断を下すものとし,災いの種である原発からの撤退を公言する。撤退にあたっては,立地不適を公に宣言し浜岡原発3〜5号全基の閉鎖を確定する。これにより閉鎖は社会に受け入れられ,本会社は安全を優先する企業として高く評価されよう。

時代の要請は,今や自然の脅威に抗うことではなく,自然の恵みを再生可能エネルギーとして活用し,自然と永久に共存する道を拓くべきことを求めている。他電力事業者より一歩先んじて原発震災への思考実験を重ねてきた本会社は,再生エネルギーの分野においても時代を先導することとなる。原発の新増設を求める新興国に対しても,高度な安全技術を必要とせず,資源枯渇の心配のないエネルギー利用への転換を勧める。

【その4】

第○号議案  定款一部変更の件(4)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 テロ防止対策と人権の尊重

第○条 本会社は,国民・住民の生存権を脅かすテロ活動を未然に防ぎ,テロ活動の防止を口実とする国民の権利の侵害を防ぐために,次に挙げる事項を遵守する。

1 テロの攻撃対象となりうる核防護物質(ウラン及びプルトニウム)等,核兵器の原料となる物質を燃料とする発電所を運転してはならない。

2 放射性廃棄物等,ダーティ・ボム(汚い爆弾)として環境と人体へ有害な影響を及ぼす物質を排出してはならない。

3 既に本会社が保有する核物質を管理・保管する場合は,地震・津波等自然災害だけでなく,テロ攻撃にも耐えうる頑強な容器及び施設に収納し,厳重に管理する。

4 テロ活動の防止を口実として,住民の生命・財産の安全に関わる情報を非開示にしてはならない。

5 テロ活動の防止を口実として,過剰な住民の行動の監視,個人情報収集等のプライバシー侵害や不当な差別をしてはならない。

◆提案の理由

内閣が集団的自衛権の行使容認を閣議決定し,法整備が始まった。集団的自衛権を発動すれば,武力攻撃の対象国(敵国)から対抗手段として攻撃を受ける可能性や,紛争当事国への政治的軍事的介入により,日本の国内がテロ攻撃に晒される恐れも増す。とりわけ核物質を扱う施設等は格好の攻撃対象とされる。原発は真上からの攻撃には弱く,内部からのテロを防ぐための作業員の身元調査も日本だけが法制化できずにいるが,被曝労働の多重下請け構造の中では現実的に無理である。

福島原発の冷却機能喪失時には,建屋の図面がテロ防止を理由に決死の注水作業を行った東京消防庁にも開示されなかった。過剰な情報規制だ。

今後,テロ対策のための原発の警備強化を口実として,住民への監視と差別が強まり,さらなる人権侵害も予測され,国や自治体には余計な財政支出をもたらす。

これらの問題を抜本的に解決するため,危険な核物質を取扱う原子力発電を行わない。

【その5】

第○号議案  定款一部変更の件(5)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 原子力発電施設廃止措置・廃棄物委員会

第○条 原子力発電施設の廃止措置の方法及び廃炉解体に伴う廃棄物の扱いについては,廃止措置・廃棄物委員会を設置し,協議した結果を反映するものとする。

② 当委員会の構成委員には,必ず浜岡原子力発電所の地元住民,電力消費地の住民,廃炉廃棄物処分候補地の地元住民等を参加させなければならない。

◆提案の理由

浜岡原発1・2号機の廃止措置では既に解体作業が始まっているが,配管やポンプ等の放射性廃棄物の搬出先が決まらず,敷地内で仮置きすることになった。

2基の廃炉で発生する放射性廃棄物は9万7千t余。一部はリサイクル材として再利用されるが,使途が追跡できる保証はない。

また,汚染の高い放射性廃棄物は厳重な管理処分が必要だが,処分地がまだ存在しない。39年前に停止し,先行して解体された東海村の動力試験炉では,これら放射性廃棄物のうち6割が未だに敷地内に保管されているという。

一方,青森県六ヶ所村では,廃炉廃棄物の受け入れを了解していないにも関わらず,既に地下100mの試験空洞での調査が始まり,最終処分場受け入れへの圧力だと地元住民が心配している。

核廃棄物を全て過疎地に押し付けるやり方は改めなければならない。廃炉の方法,廃棄物の処分地については,消費地住民も含め広く協議の場を作り解決策を探るべきである。

【その6】

第○号議案  定款一部変更の件(6)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 使用済核燃料の発生抑制と再処理の中止

第○条 本会社は,自らの発電事業で排出したにも関わらず最終処分地を決められない高レベル放射性廃棄物(使用済核燃料を含む)のこれ以上の発生を抑制する。

② 便益を受けた世代が責任をとりえない使用済みMOX燃料を発生させないため,使用済核燃料の再利用のためのプルサーマル計画を中止し,再処理の委託契約も解消する。

◆提案の理由

高レベル放射性廃棄物(特定放射性廃棄物及び使用済核燃料)の最終処分場は,どこも受け入れる自治体がない。そのため国は基本方針を改訂し,今後は国が有望地の選定に向け,前面に立って進めるという。

そもそも高レベル放射性廃棄物は当社の営利活動に伴い発生した産業廃棄物である。浜岡原発1号機が稼働を始めた約40年前から発生することは分かりきっていた。処分地のないものを排出しつづけたことの反省もないまま,「便益を受けた現世代の責任において最終処分の道筋を付けることが大事」との破綻した理由で,後始末を国の権威を使って前に進めようというのは,企業として恥ずべきことだ。

しかも,プルサーマルで発生する使用済みMOX燃料は,再処理する場所も利点もなく,発熱量が高いため地層処分どころか乾式貯蔵もままならない。将来世代にツケを回さないためには,まず使用済核燃料の再利用・再処理をやめ,発生を抑制する必要がある。

 


2014年(第90期)の脱原発 株主提案

(2013年4月~2014年3月期)

 

【その1】

第3号議案  定款一部変更の件(1)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第7章 電気料金改定時の顧客対応

第45条 本会社は,規制部門の電気料金を改定しようとする際には,経済産業大臣への申請に先立って,規制部門の需給契約者およびその家族を対象にして,以下の各号に則った説明会を開催する。

1 開催までに十分な周知期間を置き,十分な周知活動を行う

2 開催日は土曜,日曜または祝祭日のいずれかとする

3 本会社の供給エリアに属する県ごとに1カ所以上で開催する

4 司会進行役には本会社と利害関係を有さない者を充てる

5 本会社を代表する者が出席し,説明および質疑への応答を行う

◆提案の理由

規制部門(家庭)の電気料金は,電力会社の申請に基づいて経済産業大臣が認可し,顧客はその結果に一方的に従わされる。この根本的不条理を緩和するために,電力会社は顧客に対して料金改定の必要性を根拠づけるデータを開示し,丁寧に説明することが求められる。

ところが今回の料金改定では,各顧客には検針時にA4用紙1枚半のリーフレットが配付されただけである。料金値上げについての専用ダイヤルも設けら れたが,そこでの対応はまったく不誠実で,質問に対して「貴重なご意見として承っておきます」という実質回答拒否の応答が頻発された。

データ開示も不十分で,たとえば浜岡原発が停止した2011年度以降の実際の経費削減額は公表を拒否された(公表されているのは,水増しされた経費削減額)。

このような顧客無視の姿勢を改めさせるための最低限の措置として,顧客の疑問,質問に直接応答する説明会の開催を義務づけるのが,本提案の主旨である。

【その2】

第4号議案  定款一部変更の件(2)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第8章 安全第一

第46条 本会社は,安全第一を旨とし,世界一危険な地点に立地する浜岡原子力発電所を廃止する

◆提案の理由

2月14日,本会社は浜岡原発4号機の再稼働を前提に,新基準適合性審査を原子力規制委員会に申請したが,地元静岡県では知事や首長に対して「再稼働とは別」と説明してきた。

知事は「社長もくり返し,再稼働と結びつくものではない,と言われている」と語り「ぜひ審査を受けるべき」と地元同意を与えた。これはとんでもない欺瞞である。

申請は,法令上は設置変更許可申請で,世間で再稼働審査と言われる通り再稼働には必要不可欠だ。現在国内のすべての原発が停止しているのは,福島原発震災の発生により,過去の審査基準の過誤が明白となり設置許可が違法,無効となったためである。

ところがこれを是正したはずの新規制基準は,過酷事故の発生を容認し,そのさいの住民被曝を前提として避難方法や避難所の放射線防護工事,被曝対応病院の指定などを求めるものだ。

「事故は起こさない,起きない」と偽って得た地元了解はここに撤回し,浜岡原発は廃止する。

【その3】

第5号議案  定款一部変更の件(3)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第8章 安全第一

第47条 本会社は,安全第一を旨とした経営の基本方針に則り,設備投資の優先順位      を決定する。

特に原子力発電所については,安全上最も重要且つ必要な施設である使用済核燃料の乾式貯蔵施設の建設を優先する。

◆提案の理由

浜岡原発では,福島第一原発の事故を受け,2011年から防波壁等の津波対策工事を始め,昨年からは原子力規制委員会の新規制基準への対応も含めた 総額三千億円規模 の対策工事を進めている。この中には再稼働できない場合は全く無駄になる工事も数多く含まれているが,経営陣は前のめりでこの設備投資を決定した。

一方で,2008年末に計画発表された使用済核燃料の乾式貯蔵施設の建設は進んでいない。約3年の工期を経て2016年度には使用を開始する予定が大幅に遅れている。

福島第一原発4号機の爆発事故は,水冷式の使用済核燃料プールの危険性を改めて示した。停止中であっても巨大地震の発生確率と使用済核燃料の危険性 は減らないので,本来なら乾式貯蔵施設は,工期を早めてでも最優先に着手されるべきである。地元が同意もしていない浜岡原発の再稼働のためにフィルタベン ト等の設備投資を優先しているのは,安全を第一に考える姿勢とは言えない。

【その4】

第6号議案  定款一部変更の件(4)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第9章 原子燃料に係る出資

第48条 本会社は,経営の健全化を阻害する原子燃料(核燃料サイクル関係を含む)に係る出資をしてはならない。

既に取得した以下の事業に関する株式,債券等は速やかに売却する。

1 カザフスタンのウラン鉱山開発プロジェクト

2 六ヶ所再処理工場,MOX燃料工場,ウラン濃縮工場を保有する日本原燃株式会社

3 日本原子力研究開発機構

◆提案の理由

地元の反対が根強く運転再開の見通しがないにも関わらず,本会社は浜岡原発用の原子燃料のために多額の出資を続けている。これらの投資は今後利益を生む見込みがないばかりか,合理的な経営判断を阻害しかねない。

浜岡原発が稼働できなければウラン燃料は不要である。ウラン価格の低迷で米国USEC社も経営破綻し,もはやウラン権益を保有するメリットは無くなった。カザフスタンの鉱山開発関連企業の株式は売却し,事業から撤退すべきである。

また,603億円を出資する日本原燃の経営は,現在綱渡り状態である。今後更に事業資金が不足し,追加負担が増えて行くのは確実だ。しかも,電気料 金を値上げする 一方で,日本原燃の再処理工場で分離したプルトニウムの消費のため,10倍も割高なMOX燃料を使うことには消費者の理解も得られない。

実用化にほど遠い高速(増殖)炉の開発を行う日本原子力研究開発機構への18億円の出資も実りが無いので止める。

【その5】

第7号議案  定款一部変更の件(5)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第10章 原子力災害時の被曝防護対策に係る本会社の責任

第49条 本会社は,原子力施設(発電所及び放射性物質を扱う施設)の事故により公衆を被曝させる恐れがあるため,それを回避するための対策に全責任を負うものとする。

これを確実なものとするため,以下の事項を遵守する。

1 公衆を些かなりとも被曝させないことを原則とする。

2 福島原発事故により放射性物質が30km圏を超えて拡散した事実を踏まえ,事故の影響を受けうるあらゆる自治体(避難者を受け入れる自治体も含 む)に対し,最悪の事故の被害想定をはじめとする防災対策・避難計画の策定に必要な施設に関する情報を積極的に提供し,住民にもそれを公開する。

3 施設からの距離に関わらず,上記の防災対策・避難計画の策定,実施に必要な費用は,避難者の受け入れ自治体の計画策定に係る支出も含め,すべて本会社が負担する。

4 施設からの距離に関わらず,自治体の水・食糧・安定ヨウ素剤等の備蓄について,放射線防護に要する部分(例えば確保すべき日数の増加分等)の費用については本会社の負担とする。

5 実際の事故時に発生する放射線防護に要する費用については,自治体の求めに応じて速やかに支出できるよう緊急対策費として積み立てておく。

6 前各項について確実に実施できない施設は,操業してはならない。

◆提案の理由

放射線による人体への影響にはしきい値がなく,可能な限り被曝を避けるべきというのは,国際的なコンセンサスである。本会社は原子力施設の操業に際し,最悪の事故を起こした場合でも公衆を些かなりとも被曝させないよう万全の措置を講じておく義務がある。

現在,原子力災害に関して各自治体が防災・避難計画を策定中であるが,担当する職員の負担は重く,とりわけ施設に近いほど住民の避難手段の確保,要 援護者への対応は困難を極めている。避難を断念し,屋内退避とする場合でも,地震・津波等との複合災害への対応や食糧・医療品等物資の供給手段を確保しな ければならない。

これらの難題は,本会社の原子力施設が原因で生じているのであるから,当該施設の操業により営利活動を行う当事者として,本会社はその問題解決に責 任を負うとともに費用を負担するのは当然だ。国の原子力防災指針の不十分な点は自ら補い,社会に原発のコストを押し付けてはならない。

 


2013年の 脱原発 株主提案

(第89期 2012年4月~2013年3月末)


<第3号議案> 定款一部変更の件(1)

【提案の内容】

以下の章を新設する

第7章 経営戦略の転換

第45条 本会社の経営理念の柱として,倫理に基づくことを第一とする旨を謳う。

1 これまでの利潤追求から脱し,関係者すべての心の豊かさ(総幸福量)の最大化を追求する倫理的経営へと転換する。

2 社員,株主,経営陣の叡智を総動員してその実現に努める。

3 巨大地震の巣の上に原子力発電所を建設してしまった過ちを率直に認め,倫理に反する原子力発電からの撤退とその後始末に取り組む。

【提案の理由】

福島原発震災による被害は深化し,ますますその格差を拡大しつつ理不尽な対応に泣く人々を追いこんでいる。一方で原発ゼロの国民意志を切り捨て,本会社も,科学技術で乗り越えられると間違いの上塗りを重ねる。

現在規制行政が検討中の安全対策は福島事故への対症療法にすぎず,未知の手抜かりはどこに潜むかわからない。浜岡原発で上下動対策の不備を突かれれば即核暴走事故となり,福島・チェルノブイリ事故をはるかにしのぐ地球規模の災禍となる。

市場原理主義による自由競争からの脱却は急務である。未来世代に属すべき資源を濫用枯渇させ,永久に有毒な廃棄物と膨大な債務を後世に残すことは倫理の根本に反する。

世界が直面する危機は経済危機でも金融危機でもなく文明の危機であり,その解決には人類の叡智の地球規模の動員が必要である。原発震災の具体的な危機を抱える本会社こそ,説得力あるリーダーたり得る。率先して倫理的経営への転換を宣言する。

<第4号議案> 定款一部変更の件(2)

【提案の内容】

以下の章を新設する

第8章 原子力発電

第46条 本会社は,経営環境の変化に柔軟に対応するため,原子力発電から撤退する。

【提案の理由】

本会社では2011年5月以降全原発が停止中であるが,電力供給に支障をきたすことなく3年目を迎えた。また業績についても,他社に比べ悪化を免れている。

これは,浜岡1,2号機の廃炉を潔く決断して原発比率を下げ,高効率のガス火力発電にシフトするという経営陣の先見性があったからである。

しかし今ある3基は,発電しなくても減価償却費や固定資産税,修繕費,損害保険料,損害賠償支援機構への負担金等の高い固定費がかかっている。今 後,欠陥炉と言われるマークI改良型原発の浜岡3,4号機と,海水流入で至る所に腐食が見つかっている5号機の補強工事に多額の費用を投入したとしても, 巨大地震に耐えられる保証はない。

東京電力の経営悪化と巨額の賠償費用,再処理計画の破綻,電気事業の制度改革などで,原発に係る負担は間違いなく増大する。将来の経営環境の変化に柔軟に対応するため,剰余金があるうちに原発から撤退し身軽になるべきである。

<第5号議案> 定款一部変更の件(3)

【提案の内容】

以下の章を新設する

第9章 出資,債務保証の制限

第47条 本会社は,経営破綻する可能性のある次の事業者への出資及び債務保証を禁ずる。

1 日本原子力発電株式会社

2 日本原燃株式会社

(2) また,これらを行うために必要な関係事業者及び関係省庁との協議・交渉を率先して行う。

【提案の理由】

本会社の日本原電への投資額は約181.4億円。債務保証額は200億円を超える。

更に,昨年度の受電量はゼロだったにもかかわらず,300億円弱を支払った。将来的にも3基の原発しか持たない日本原電は,敦賀1号機が既に40年を経過し廃炉が確実な上,2号機は直下に活断層の存在が指摘され再稼働の目処がたたない。

東海第二原発も地元の反対で再開が見込めず,もはや経営破綻が目前である。

また,日本原燃に対しては約602.6億円を出資し,1,100億円以上の債務保証をしている。しかし六ヶ所再処理工場は,これまでの建設費・補修 費の膨張や度重なる試運転中のトラブルを見れば,資金計画そのものが非現実的であることは明らかだ。このまま再処理を維持しようとすれば,際限ない負担を 迫られることになる。

原発事故の後始末で,東京電力を筆頭に電力各社にももう余力はない。小手先の支援で破綻の先延ばしはやめるべきである。

 

<第6号議案> 定款一部変更の件(4)

【提案の内容】

以下の章を新設する

第10章 寄付金,協力金,補償金に関する情報公開

第48条 本会社が支出する寄付金,協力金,補償金については,次のとおり情報を開示し,経営の透明性を高める。

1 1億円を超える地方自治体や大学,研究機関,協同組合等法人,政治団体,個人に対する寄付金,協力金,補償金等の支出については,一般に公開する。

2 10万円以上1億円未満の寄付金,協力金,補償金等の支出については,単元株主に対して情報を開示し,本店及び営業所内での閲覧・謄写を可能とする。

【提案の理由】

寄付金,協力金,補償金等は,これまで総括原価方式により必要経費として電力料金への転嫁が認められてきたが,他社の値上げ申請を契機に批判が高まり,原則認められなくなった。しかし,支出そのものは禁止されておらず,情報開示も不十分である。

電源三法交付金という制度があるにもかかわらず,更に地域振興という名の下で地元自治体へ多額の寄付をしたり,要求されるまま地元の各種団体へ寄付 金や協力金,補償金を提供することは,地域の自立を阻害する「バラマキ」との批判もある。また,学校,研究機関,NPO等の法人や任意団体への寄付や協力 金も多数あると思われ,それらを含めたこれまでの総額は数百億円規模と推測できる。

本会社の利益は,電気料金として地域独占の公益企業ゆえに得られているものであり,一般の民間企業以上の情報開示が求められるのは当然だ。配当を受ける株主としても,どのような団体へどれだけ支出されたかを知る必要がある。

 

<第7号議案> 定款一部変更の件(5)

【提案の内容】

以下の章を新設する

第11章 原子力発電施設廃止措置委員会

第49条 本会社は,原子力発電所の廃止措置を公平・公正な形で円滑に進めていくため,下記の1から3までを行う「原子力発電施設廃止対策委員会」を設置する。

1 安全且つ合理的な施設の廃炉計画を策定する。

2 原子力発電所内に保管されている使用済核燃料については,今後の再処理工場への搬出を中止し,長期にわたり安全を確保できる管理貯蔵計画を策定する。

3 原子力施設の廃止に要する費用の調達や会計上の処理に対応するため,これまでの法令,制度・規則の見直し等について,関係事業者,関係官庁との協議・調整も視野に入れて検討し,方針を示す。

(2) この委員会の構成メンバーには,原子力関係企業・団体からの寄付を受けていない専門家,有識者の他,立地及び隣接自治体のそれぞれの住民代表,原子力問題に取り組むNGOを必ず参加させなければならない。

【提案の理由】

浜岡原発は,近い将来必ず起きると言われている巨大地震の震源域の真上にあり,再び原発震災を起こす可能性が指摘されている。再稼働は断念し,使用済核燃料の管理など廃止に向けた作業に速やかに着手しなければならない。

この廃止措置をより公平・公正な形で円滑に進めていくためには,(2)項に述べるような外部の利害関係者,有識者等を加えた「原子力発電施設廃止対策委員会」を設け,必要となる措置を総合的に検討し,方針を定めて行くことが必要である。

具体的には,解体撤去ではない安全且つ合理的な廃炉計画や,使用済核燃料の長期的な安全を維持するための管理貯蔵計画を,地元住民等の意向も取り入れて策定する。

また,必要な法改正や引当金等会計処理に係る制度・規則の見直し,更には電源開発促進税の廃止や使途の変更など負担軽減に向けた抜本的な対策も検討し,本会社はこの方針に基づき関係事業者,関係官庁との協議・調整を行うものとする。

<第8号議案> 定款一部変更の件(6)

【提案の内容】

以下の章を新設する

第12章 プルトニウムの生産,使用,売却,保管管理

第50条 本会社は,プルトニウムを今後一切生産・使用しない。

2 また,電源開発株式会社や日本原子力研究開発機構等他者へのプルトニウムの売却を禁止する。

3 既に再処理で分離されたプルトニウムの管理については,発生者としての責任を全うするため,関係事業者,核防護やプルトニウム管理に詳しい国内 外の専門家及び核問題に取り組んで来たNGO代表などから構成された「プルトニウム管理委員会」を設置し,安全で環境負荷が少なく,核防護上有効な長期の 保管管理計画を検討していくものとする。

【提案の理由】

浜岡原発で生産され,既に再処理で分離された核分裂性プルトニウムは2.6トン以上に及ぶ。これらは4号機でのプルサーマルと電源開発(株)が建設する大 間原発で消費される計画であった。しかし浜岡原発は,地元自治体の反対で再稼働すら困難な状況である。大間原発については,北側前面海域に40km以上の 海底活断層が存在し,M7クラスの直下型地震と津波に襲われる可能性が指摘されている。加えて,西側海域の大活断層や敷地内の明瞭な活断層の存在も明らか になり,操業できるかも不透明だ。

また,英国で加工する予定だったプルトニウムについては,福島第一原発震災後,MOX燃料製造工場の閉鎖で加工先がなくなった。

プルトニウムの利用は危険なうえ,管理保管するにも核防護上の問題があるので,今後の生産・使用・売却は一切禁止し,現存するものについては,安全且つ軍事転用が不可能な形で長期保管管理できるよう対策を検討する必要がある。

 


2012年の 脱原発 株主提案

(第88期 2011年4月~2012年3月末)

<第4号議案> 定款一部変更の件(1)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。



第7章 脱原発宣言

第45条 本会社は、経営的、社会的リスク要因とな る原子力発電と決別し、脱原発企業として
再出発する決意を明確にするため、以下の脱原発宣 言を行う。


———–

「脱原発宣言」  2011年3月11日、東北地方太平 洋沖地震が発生し、東京電力福島第一原子力発電所が4基同時に大事故を起こした。 既におびただしい量の放射能がまきち らされ、日本の国土はもちろん、海洋や周辺諸国をも汚染しただけでなく、1年以上経った今もなおその放出は続いてい る。 ふるさとを追われ、それまで積み上げ て来た生活基盤や人間関係、人生を根こそぎ奪われた人びとの無念さや、福島県を始めとした汚染地域に留め置かれ、被 曝させられ続ける子どもたちに思いを馳せるならば、そして、生態系や環境、水や食べ物等への影響と今後何百年も続く放射能汚染時代の困難さを直視するなら ば、二度とこうした原子力災害を起こしてはならないことは自明である。 私たちは、この大惨事が、当社と同じ 一電気事業者が起こした公害事件であることを忘れてはならない。 この30年余の間、当社の発電所でこ うした大事故を起こすことなく、電力が供給できたのは、ひとえに地震が発生していないからであった。  しかし、地震活動期に入った日本列島 で、今後も中部電力が社会から受け入れられ、社会に貢献できる企業であるためには、東海地震が発生する前に浜岡原子 力発電所を閉鎖し、この施設がもたらす社会的リスクを取り除くとともに、廃炉と放射性廃物の始末というこれまで蓋をしてきた超長期的難事業に取り組まなけ ればならない。 そして、他社に先駆けて、経営的に も、社会的にもリスクの少ない電源構成を維持するための体制作りに速やかに着手する必要がある。

 故に当社はいま、原子力発電から撤退し、脱原 発企業として再出発することをここに宣言する。

【提案の理由】

 とうとう危惧されてきた原発震災が東京電力福島第一原発で起きた。4基同時 多発、レベル7の過酷事故だ。損害賠償額だけでも数兆円、 廃炉・除染費用は数十兆円に上ると試算されている。たとえ自然災害に起因するとしても社会的に免責されないこと、東電のような巨大企業といえども、ひとた び原発震災を引き起こせばたちまち破たんすることが証明された。


 浜岡原発は全国の交通要衝に立地し、卓越風は首都圏方向に吹いている。ここで原発震災の過ちを重ねれば、一企業の破たんにとどまらず、その被害は福島原 発震災を大きく上回り日本全体を破滅の危機に追いやる。


 本会社は賢明にも浜岡1、2号機を廃炉とし、3~5号機の発電停止、上越火力建設など、危機管理を念頭に原発に頼らない経営にシフトしつつ、浜岡原発全 基停止中の昨年度においても他電力に融通する余裕を示した。


 原発こそが最大の経営的社会的リスクであることを明言する脱原発宣言を定款に掲げる。
 


 

<第5号議案> 定款一部変更の件(2)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。



第8章 電力の安定供給

 第46条 本会社は、電力を安定的に消費者に供給するための電源構成を構築する。

  (2) 前項の目的のため、大規模電源喪失リスクの高い原子力発電所を利用しない。

 

【提案の理由】

 福島原発の大事故は、原発に依存した電力供給体制の脆弱さを顕在化させた。


 過去にも、ひび割れ隠し等の共通要因により、沸騰水型原発が一斉に停止をする事態はあった。今後も、後から判明する欠陥等で同型原発が一斉に停まり、大電源を失う可能性は否定できない。


 また、消費地から離れた一地域に電源を集中すれば、地震で全基が同時停止するおそれもある。実際、駿河湾地震では稼働中の浜岡原発2基が緊急停止し、夏場に250万kW余の供給力を失った。


 こうしたリスクは、原発が大容量で破局的事故の危険性を内包する以上、避けられない宿命である。


 更に、厳冬の今年2月、原発大国のフランスは、脱原発政策を取ったドイツから電力を輸入したという。原発に過度に依存したツケである。


 本会社はこの1年、原発依存率が低いことが幸いし、他社への電力融通で感謝されているだけでなく、企業の管内移転も促し地域経済にも貢献した。これを教訓とすべきである。
 



 

<第6号議案> 定款一部変更の件(3)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。



第9章 原子力発電所の存廃に関する立地地域住民の参加

 第47条 原発震災回避のため停止中の浜岡原発の再稼働にあたっては、地元住民の圧
倒的多数の同意が得られない限り行わない。

 (2) 再稼働できずに廃止措置を行う場合には、その措置の方法に関し、地元住民で
構成されかつその意向を十分反映できる合議体に諮り、その決定に従うものとする。

 



【提案の理由】

 私たち脱原発を主張する株主は、毎回株主総会において巨大地震により浜岡原子力発電所が原発震災を惹き起こす危険性を警告してきたが、経営陣は想定東海地震にも耐えられ苛酷事故は起きないとの回答を繰り返している。


 2006年改訂耐震指針においては、最新の知見に基づき、建設時の想定を超える巨大地震による苛酷事故の発生と、その結果環境に大量の放射性物質を放出する事態、すなわち今回の福島のような原発震災の可能性を認めるに至った。ところが本会社は、政府ともどもこの重大な認識の変更を一切地元住民に知らせることなく、原子力による発電を継続し営業してきた。これは経営陣による大きな怠慢である。


 福島で起こったことにより改訂指針の見識の正しさが実証され、必ず起こるとされる東海地震により福島を超える事態を招く恐れが現実となった今、なおも地 元同意を求めずに営業を続けることは許されない。


 よって定款に意思決定への住民参加を謳う。
 

 

<第7号議案> 定款一部変更の件(4)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。


第10章 使用済み核燃料の保管


 第48条 浜岡原子力発電所における使用済み核燃料の貯蔵量を増やしてはならない。

  (2) 保管中使用済み核燃料の貯蔵にあたっては、地震及び津波、風水害など自然災害に
対して環境に危害をもたら すことのないよう留意する。


 


【提案の理由】

 福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールは、現在もまだ余震による倒壊の危険にさらされ、大量の放射能放出事故の危機を脱していない。超長期にわたって膨大な発熱を伴う使用済み核燃料の安全な保管は、すべての原発において今後の大きな課題となった。


 危険な高レベル放射性廃棄物でもある使用済み核燃料の後始末の方策は、世界の原子力の歴史において解決を見る事はなかった。軍事利用を中心にウラン・プ ルトニウムと分離されガラス固化体となったが、商業利用における再処理には技術的にも経済的にも展望がないためごく一部にとどまっている。この先長期にわ たり自然災害からも安全に保管するためには、崩壊熱の下がったものから金属キャスクに収納し、乾式貯蔵施設で管理を続けるしかない。早急に敷地内の高所に 乾式貯蔵施設及び燃料プールの建設を検討し、原子炉建屋から使用済み核燃料を移動するとともに、これ以上の発生を防止するため発電を行わない。


 

<第8号議案> 定款一部変更の件(5)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。



第11章 浜岡原子力発電所用地の活用と地震・津波対策


 
第49条 浜岡原発敷地内において、小規模分散型の発電を行う。

  (2) 前項により浜岡原発の冷却のための電力を日常的に供給するとともに、かつ原発の
停止により遊休設備と化す変電設備及び送電網を活用して、周辺に電 力を供給する。

  (3) 第1項により発電した電力は、有利な立地条件を生かした競争力のある安い電力と
して地元に提供する。



【提案の理由】

 浜岡原発の立地点に孕む危険性はますます増大している。内閣府によれば浜岡付近の最大予測津波高は21メートル、現在建設中の防波壁の高さ18メートル を上回る。


 太平洋沖地震の津波は高速で押し寄せなかなか引くことなく延々と続き、スーパー堤防といわれた宮古市田老や釜石の堤防を乗り越え、あるいは破壊した。同地震とは異なり震源直上に位置する浜岡は揺れの予測も大幅にアップ、津波は2分で到達するとされ、原発がなくても周辺住民の危険は計り知れない。


 津波は、行く手を阻むことは賢明ではなく、海水の逃げ道が用意されなければならないことが、今回明白になった。まして浜岡原発に建設中の強大な防潮壁は、たった一か所の施工ミスによる弱点からでも決壊し、あるいは防潮壁を回り込んで逃げた海水が周辺に甚大な被害をもたらす恐れも指摘される。防災対策などないことを謙虚に認め、浜岡原発による発電に替わる電源や蓄電池施設をサイトで展開する。
 

<第9号議案> 定款一部変更の件(6)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。



第12章 情報公開

 第50条 本会社は、発電施設の安全性に関する情報を積極的に社会に公開する。

 (2) 本会社は、電力需給の変動を抑え、省エネ意識の醸成に資するため、電力需給に
関する情報を積極的に公開する。


 (3) 前二項について請求があれば、詳細情報に関しても原則的に公開する。


 


【提案の理由】


 福島原発事故による被害の大きさを見れば、原子力施設の安全性について社会が強い関心をもつのは当然である。危険な原発を保有する事業者は、これらの情 報を積極的に公開すべきことは言うまでもない。しかし、当社はこれまで、都合のよい宣伝は行う一方、情報開示を求める住民に対しては、裁判等を口実にそれを拒むという姿勢をとってきた。これは結果的に当社の評価を貶めただけでなく、安全に係る技術向上の機会を奪ってきた可能性もある。


 また、電力需給に関しても消費者は大きな関心を持っている。節電を要請する以上、情報は積極的に開示しなければならない。これまでの「でんき予報」や 「電力需給計画」では、数字の根拠に関する情報が乏しく、不正確な表現で読者に誤解を与えかねないものもあった。誰もが情報を辿り、正しく理解し納得でき るようでなければ協力も得にくい。また、地域独占の公益企業である以上、詳細情報も原則公開とすべきである。


2012年4月3日

 中部電力株式会社
代表取締役 水野明久 様

災害廃棄物広域処理に関する愛知県の要請を受け入れないよ う求める申し入れ書

当社は、愛知県から、震災がれき受け入れのための焼却施 設と焼却灰の最終処分場の用地として、碧南火力発電所の敷地を提供するよう要請されていますが、私たち中部電力の株主としては、この要請を受け入れるべき ではないと考え、断わることを求めます。

国が進めようとしている災害廃棄物の広域処理については、放射能拡散の危険性の検証が不十分であること、法的な基準がなく、問題が起きても法的措置が取れ ないこと、予算の配分の不適切性や、住民合意の手続きもなく強引に進められていることなど、様々な問題が指摘されています。

当社としては、このような問題の多い政策に協力し、無用 な軋轢に加担するようなことは避けるべきです。

廃棄物処分の事業主体は愛知県であったとしても、当社の敷地を貸せば、焼却施設や処分場から環境中に放射能を始めとする有害物質が漏洩した場合、土地所有 者として損害を被る可能性があります。しかし、賠償を求めようとしても、法の隙間であるため基準があいまいな上、東京電力が放出した放射能は「無主物」と の判例もあり、責任の所在が明確ではありません。また、火力発電所内で働く社員も無用の健康リスクを負うことになります。

碧南火力発電所では、既に石炭からのフライアッシュ等の 放射性物質を含む廃棄物を処理していますが、今回の災害廃棄物は、含まれる放射性核種も全く異なり、放射能の濃度も桁違いに高くなる可能性があるため、安 易な受け入れは危険です。

既に、災害廃棄物の広域処理に協力しなければ、被災地の 復興が進まないという言説に疑問を呈する声も上がっており、当社としては、将来に禍根を残さないためにも、愛知県からの要請を受け入れないよう求めます。

以上

脱原発!中 電株主といっしょにやろう会
代表世話 人:安 楽 知 子
名古屋市西区○○○○○○○
tel&fax:052-○○○-○○○○
E-mail:anraku-t@nifty.com


 


2011の 脱原発 株主提案

(第87期 2010年4月~2011年3月末)

 

<第6号議案> 定款一部変更の件(1)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。

第7章 脱原発企業に向けたロードマップ

 第45条 当社は、原子力発電への依存から脱却するためのロード マップを作成し、
その実現のために関連企業とともに全力で取り組む。

 

【提案の理由】

 福島第一原発で未曾有の「原発震災」が発生した。温暖化防止のために原子力発電に依存するやり 方は、効果を生まず、限られた投資資金を無駄に消費させる等逆効果になることは、多くの専門家も指摘していたが、今回の大事故でリスクの面からもそれが証 明されたのだ。株価の暴落、莫大な損失及び損害賠償費用、停電による経済活動への悪影響は言うに及ばず、社員や公務員の健康、公衆の被曝、環境汚染等、そ れを悟るために払った犠牲は大きい。

 当社は電力会社の中でも原子力発電への依存度が低いため、いち早く脱原子力を達成できる有利な 条件がある。既存の原子力発電所の廃炉を着実且つ速やかに進めて行くためのロードマップを作成し、それを具体的に実現するために必要な作業―例えば地元自 治体や関係企業との関係調整、組織編成や具体的人員の配置替え等に、今こそ全力で取り組むべきである。これは中部電力の企業価値を間違いなく高めるものと 考える。(397字)





 

<第7号議案> 定款一部変更の件(2)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。

第8章 浜岡原発の閉鎖

 第46条 原発震災を回避するため浜岡原発を閉鎖する。

 

【提案の理由】

 とうとう「原発震災」は現実のものとなった。M9の巨大地震津波により福島第一原発のうち稼働 していた1~3号機は外部電源全喪失事故から恐れられていた炉心溶融事故へと進展した。8~10kmという原発事故防災対象区域を超えて、半径30km圏 が避難・屋内退避の対象となった。地震・津波の被害を免れた人々も不自由な避難生活を強いられ、その避難先では救援の手や物資が敬遠されるという悲惨な状 況が現出、農産物や牛乳からは放射能が検出されている。その影響は株価暴落はもとより国際経済にまで及び、何時果てるとも知れない苦難の日々が始まった。

 女川原発では津波によりオフサイトセンターが破壊されてしまった。この地震では震源断層が海域にあったが、想定東海地震では原発直下に横たわるため、福島 原発と女川原発の被害が同時に現出されると思われ、原発震災はより悲惨なものとなることは間違いない。選択の余地はない。即刻全機を廃炉とする。(400 字)





<第8号議 案> 定款一部変更の件(3)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。

第9章 特定業務内容の禁止

 第47条 巨 大地震の予想震源域及びその周辺に原子力発電施設を設置しない。

  (2)  既に設置された原子力発電施設については、速やかに運転を停止し、
原発震災による電力の安定供給支障回避のための処置を講じることとする。

 

【提案の理由】

 M9の東北地方太平洋地震と津波により、福島第一原発は4基同時に冷却機能を喪失し、未曾有の 大事故を起こすに至った。

 当社は、三重県南部での新規原発の建設方針を未だ撤回せずにいるが、この地域は30年以内の発 生確率70%程度とされる東南海地震の震源域である。浜岡原発の直下で起きる東海地震と連動する可能性も増す中で、2つの巨大地震の震源域に原発を集中立 地すれば、事故を起こすリスクが倍増するだけでなく、最悪の場合、同時に2地点で放射能災害を伴う大事故となる可能性も否定できない。

 大規模放射能災害が辛うじて避けられたとしても、同時スクラムがかかり大規模電源喪失を招くの は必至である。しかも、耐震基準の低い発電所設備の損傷は避けられず、特に原発は火力発電よりも長期にわたり復旧が困難になるため、経営のリスク管理とい う面からも最悪の選択である。

 大規模電源喪失による停電は、被災からの復興の足かせにもなりかねない。(399字)





<第9号議 案> 定款一部変更の件(4)

【提案の内容】

以下の章を新設する。

第10章 使用済核燃料及び高レベル放射性廃棄物

 第48条 本会社は、搬出先が定まらない使用済核燃料及び使用済MOX燃料を排出
しない。

   (2) 最終処分場がない高レベル放射性廃棄物の排出を禁止する。

 

【提案の理由】

 プルサーマルに伴い発生する使用済MOX燃料は、処理先とされた第二再処理工場の計画もまだ白 紙状態である。原子力委員会委員長も、この先10年かけて検討すると発言しており、六ヶ所再処理工場竣工の18回延期及び工場建設コストの更なる増大を見 れば、先は全く見えない。

 浜岡4号機でのプルサーマルは、耐震安全性が未確認であることや福島原発の大事故により延期さ れたが、一たびMOX燃料を装荷すれば、行き場のない使用済MOX燃料が東海地震の震源域に超長期にわたり集積することになる。しかもこの燃料は発熱量が 高い。

 また、六ヶ所再処理工場の能力を超える使用済核燃料についても同様である。建設予定の乾式貯蔵 施設が最終処分施設と化す恐れも否めない。

 高レベル放射性廃棄物については、未だに最終処分場候補地も挙げられずにいる。

 数十万年もの間隔離が必要な猛毒の放射性物質を処理・処分の目処もなく排出することは、企業倫 理に反する。(399字)





<第10号議案> 定款一部変更の件(5)

【提案の内容】

 以下の章を新設する。

第11章 需要家サイドのベストミックス

 第49条 震災時のリスク管理に配慮し、需要家サイドのベストミックスを進める。

 

 【提案の理由】

 東日本大震災では、地震・津波に加え福島第一原発の「原発震災」が被害を拡大させた。

 また、大規模発電所のダウンにより、首都圏を含む広域で電力供給が困難となっている。計画停電 でしのいではいるが、復興の足かせになっていることは否めない。

 今回改めて浮き彫りになった教訓の一つは、「オール電化住宅」の弱点である。

 便利・快適・安全を売り物に、電力会社が販売拡大に狂奔してきた結果、これを採用した顧客は、 直接震災の被害に遭わずとも、厳寒の中で暖を取ることも、湯を沸かすこともできず、布団の中で寒さに耐えなければならなくなった。

 更に、電力供給が逼迫する中では、深夜電力で賄えない厨房電化を勧めて来たこともアダになった 可能性がある。

 震災時のリスク管理のためには、省エネ技術の普及と共にエネルギー供給源を多重化することが必 要だ。オール電化の販売促進はやめ、優秀な技術者やコンサルタントの養成に資源を回すべきである。(396字)





<第11号議案> 定款一部変更の件(6)

【提案の内容】

 第2条(目的)第1項第2号に定める事業目的を以下のとおり変更する。

     変更案は以下のとおり

(変更前)2 電気機械器具及び電気設備の製造、販売、賃貸、修 理、運転及び保守

(変更後)2 電気機械器具、電気設備及び「発電設備」の 製造、販売、賃貸、修理、
転及び保守

 

【提案の理由】

 電気を作って売る事業から 発電する設備を作って売る事業へと思い切って転換する。いまや世界は エネルギー革命真只中。大規模集中型から小規模分散型へと、多様な技術が開発されて実用化されている。

 例えば、昨年1年間だけで 約5,000万kW、大型原発50基分ぐらいの風力・太陽光発電が新 設された。特に2005年以降の伸びがめざましい。原発はその間廃炉も多く、正味約500万kW増でしかない。だが日本は原子力偏重のため、大幅に乗り遅 れている。(岩波書店「世界」1月号特集参照)

 風、太陽、地熱、波力、雪 氷、小型水力、バイオから燃料電池等々無限の可能性があり、とりわけ 省エネと燃料無料の技術は魅力だ。民生用だけでも管内には3割の市場がある。

 どのみち電力の全面自由化 により需要は激減の運命。エネルギー産業のプロたる当社の技術を生か して、自由化へ無駄な抵抗をする代りにいち早く変身することを提案する。(388字)


2010の 脱原発 株主提案

(第86期 2009年4月~2010年3月末)

 

<第4号議案> 剰余金の処分の件

【提案の内容】

 今後必ず発生する東海地震等の地震災害に備えるため、新しく「地震対策積立金」を創設し、当社が現在保有する剰余金のうち「原価変動調整積立金」及び「繰越利益剰余金」を組み入れるとともに、毎年度の純利益の5%を積み立てるものとする。この「地震対策積立金」は、地震を要因とした以下の費用発生に備えることを目的とする。
また、この積立金の使途は、以下の順で優先されるものとする。

1)地震による原子力災害で生じた放射能汚染や公衆への健康被害への補償のうち、原子力損害賠償補償契約での補償額を超える費用

2)浜岡原子力発電所が地震により計画外停止となった場合の代替電源確保のために発生する費用の補填

3)原子力財産保険で免責されている地震による原子力設備の被害を回復するための費用

 

【提案の理由】

 昨年8月の駿河湾地震では、浜岡で運転中のすべての原発が止まり、実際に設備にも被害が生じて当社は不測の損失を被ることになった。原発が安定電源になり得ないことが証明されたのである。
 今後更に180倍を超える規模の東海地震の発生が予測される中で、いつまでも「地震による被害は発生しない」と強弁して、対策を怠ることは許されない。
 とりわけ1については、原子力損害賠償補償契約の支払い限度額は千二百億円であり、それ以上の損害に対しては国が事業者を援助するというだけで、財政的な担保は何もない。そのため特に地元では、放射能被害等を受けても十分な補償が得られず泣き寝入りするのではないかとの不安の声が上がっている。原発は停止中でも内部に膨大な量の放射能を内包しており、外部への放射能漏れは起こりうる。原発に責任をもつ当社は、そうした事態にも可能な限り誠意をもって対応できるように資金を積み立てておくことが必要である。 

<第5号議案> 定款一部変更の件(1)

【提案の内容】

 第2条(目的)の一部改正

  変更案は以下のとおり


   変更前:第1項第1号 電気事業


   変更後:第1項第1号 電気事業(但し、プルサーマル発電は除く。)

 

【提案の理由】

 浜岡4号機で計画されているプルサーマルは当社にとって全くメリットがない。MOX燃料の値段は今でも十分高く、国産化でこれが更に跳ね上がることは確実である。また、原発の安全性が更に切り詰められることは国も認める通りである。
 その上、使用済MOX燃料の処理方策は全く決まっていない。


 従来の使用済核燃料に比べ格段に長寿命で発熱量の大きな放射性物質を多く含むため、再処理することもそのまま直接処分することも困難なのである。そもそもプルトニウムの質が悪く利用するメリットがないため、再処理しない可能性が高い。当面は浜岡原発の燃料プールで貯蔵するとしているが、当面とは百年間とも言われ全く不透明だ。六ヶ所再処理工場は試運転が頓挫したままだが、もしフル稼働できても従来の使用済核燃料のみ、しかも発生量の半分しか処理できない。


 ひとたびプルサーマルを実施すれば、この厄介な核のごみを半永久的に当社は抱えねばならなくなる。

<第6号議案> 定款一部変更の件(2)

【提案の内容】

以下の章を新設する。

第7章 想定東海地震に対する危機管理対策


 第45条 想定東海地震の震源直上に立地する浜岡原子力発電所3~5号機を安全に閉鎖する。

 

【提案の理由】

 昨年8月11日、M6.5の駿河湾地震により、浜岡原発は自動停止レベルの揺れを感知して緊急停止した。その後当社の解析によれば、最新の5号機地点の揺れは3号機地点の2.6倍という異常値で、政府(中央防災会議)が想定する東海地震による浜岡地点の揺れを超えている。この地震の規模は想定東海地震のわずか180分の1であり、震源は2~3倍も遠い。


 増幅した理由は地下の地盤の特殊性とされ、地震波の到来する方向との兼ね合いによるという推定はまだ専門家の検証を経たものではないが、3号機と5号機の距離はわずか550m。直下に膨大な震源断層が広がり四方八方から地震波の到来する東海地震のさいには、5号機に限らず3~5号機のいずれかは必ず異常増幅することになる。


 地震の揺れについてやはりほとんど何も解明されていないし正しい予測などできないのだ。駿河湾地震により東海地震は近づいたともされる。即刻全機閉鎖すべきだ。

<第7号議案> 定款一部変更の件(3)

【提案の内容】

以下の章を新設する。

第8章 グリーン・ニュー・ディール


 第46条 自然エネルギー等による小規模分散型発電を展開する。

 

【提案の理由】

 当社の電力供給管内において、特に想定東海地震による被害や停電が予測される地域において、優先的にグリーン・ニュー・ディールを実現する。


 いうまでもなく大震災後の暗闇の中で明かりを灯し、暖をとり、あるいは涼をとる。煮炊きも可能である。そのため重点的に自然エネルギーや燃料電池による小規模分散型発電を展開する。病院、避難所、学校などは最優先とし、送電ストップにあっても自力でエネルギー供給を可能にする。


 小規模分散型発電設備を当社が独自に開発・設置することはもちろん、各家庭や事業所、公共施設への支援策を新設し、国や自治体にも支援策・補助金制度を提言していく。切迫する想定東海地震時の危機管理対策として要請すれば、他電力・他地域のどこにも優先して実現できるであろう。


 この経営展開により思い切って大規模な資金を投入することにより、新たなグリーン雇用が創出され、同時に地域の活性化にも資することとなる。

<第8号議案> 定款一部変更の件(4)

【提案の内容】

以下の章を新設する。

第9章 電力の安定供給


 第47条 当社は、電力の安定供給体制を強化するため、大規模発電施設の集中立地を行わない。

 

【提案の理由】

 大規模な発電施設の集中立地は、地震等災害時に大量電源喪失を招く恐れがあり、当社の供給体制を不安定にしている。浜岡地点には6号機の建設計画があるが、大地震が必ず起こる場所で更に138万kW級の電源を増設することは、リスク管理上も不可である。


 また、浜岡地点は電力消費地の名古屋から離れており、送電ロスも無視できない。大規模な停電の原因には、送電線、配電線のトラブルによるものも多いため、需要が発生する場所の近くに小規模な発電所を分散させる方が、バックアップ電源も小規模で済み、コストも抑えられ有利である。


 加えて、原発のような大規模発電所は負荷追従しにくいため、余った電気の需要をオール電化等でむりに開拓しなくてはならず、結果的に全体の電力消費量を増大させて省エネ努力を台無しにするばかりか、実現が間近いスマートグリッドによる電力需給体制への足かせにもなりかねない。


 安定供給には分散型電源が合理的である。

 

<第9号議案> 定款一部変更の件(5)

【提案の内容】

以下の章を新設する。

第10章 情報公開

(情報公開の原則)

第48条 当社は、経営の透明性を高め、企業活動の公正さ・健全性を保ち、公益企業としての社会的責任を果たすため、積極的に情報の開示を行う。

(情報不開示理由の説明)


第49条 求められた情報の公開ができないと当社が判断した場合は、請求者に対してその理由を具体的に明らかにする。

(情報公開不服審査会)


第50条 当社の情報公開に対して不服がある場合は、請求者は「情報公開不服審査会」に申し立てることができる。「情報公開不服審査会」は、社外の法律家、有識者、株主、消費者を必ず加えたメンバーで構成され、情報不開示の決定が妥当かどうかを審査し、当社はその意見に従う。

 

【提案の理由】

 公的機関の情報公開はもはや常識である。当社は民間企業ではあるが、自主・民主・公開の原則の下で原子力発電所を運転する公益企業であり、50kW未満の契約者に対しては依然として地域独占企業であるため、消費者や住民、株主等に対しては、安全に関わるものはもとより、可能な限り情報を開示することが必要だ。しかし、当社が自主的に定めた「お知らせ基準」は、一度も情報を求める側から検証されたことがなく、十分とは言えない。


 実際、他電力で公開している情報について、当社は開示を拒否し、その理由も具体的に明らかにしない事例が過去いくつかあった。今後核兵器材料のプルトニウムを大量に扱うことから、秘匿する情報の範囲が恣意的に拡大され、安全に関する説明責任がないがしろにされる懸念もある。


 必要以上に情報を隠すことは、無用な疑念をもたれて信頼低下を招きかねないうえ、秘密主義は組織の腐敗にも繋がる恐れがあるため、これを提案する。

 

<第10号議案> 定款一部変更の件(6)

【提案の内容】

以下の章を新設する。

第11章 高速増殖炉の開発協力からの撤退

 第51条 高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(日本原子力研究開発機構、敦賀市、出力28万kW)の開発協力から撤退する。

 

【提案の理由】

 柏崎刈羽原発全7機が地震で被災し大きな損失を蒙ったのは、原発の直下十数kmの地下に活断層が伸びていたからである。もんじゅは、改訂耐震指針に基づく新たな調査によって、炉心の西約0.5kmのサイト内を長さ15kmの活断層が走り、かつ東に傾斜して炉心直下850mに達することが判明した。


 高速増殖炉は、14年前の事故が示すように水や空気と反応して爆発・火災になりやすいナトリウムが冷却水の代わりに配管を巡り、燃料にはプルトニウムを使用する。柏崎刈羽原発よりはるかに不安定で核暴走しやすい原子炉と、直下直近に活断層という最悪の組み合わせである。


 このような無謀が明白になった以上、危険回避のため高速増殖炉開発の見直しを提案し、その開発協力から撤退する。発電どころか電気代等に1日5,500万円を消費し続ける原発もんじゅは、総額1.6兆円の9割に税金を投入、事業仕分人からも意義を問う声が続出、縮減が多数であった。
(400字)

 

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