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今年の株主提案

2017年(第93期)の脱原発 株主提案

(2016年4月~2017年3月期)

 

【その1】

第4号議案  定款一部変更の件(1)

◆提案の内容
以下の章を新設する。

第7章 脱原発宣言

 第45条 本会社は,以下の脱原発宣言を行う。

  「脱原発宣言」

一.中部電力は,長期的展望に立つ投資として,原子力による発電事業から完全に撤退する

一.中部電力は,所有するすべての原子炉の迅速かつ安全な廃炉,使用済み核燃料およびその他の放射性廃棄物の安全・安心・円滑な管理・保管および処分等のための情報資産を維持発展させ,人的資源,物的資源を積極的に投入する

一.中部電力は,前記情報資産の維持発展に加え,再生エネルギーなどの総合的によりすぐれたエネルギー源の研究開発にさらに取り組み,浜岡原子力発電所跡地をエネルギー研究の中核拠点として整備する

◆提案の理由

原発事業は,大きくかつ明白な経営リスクを抱えている。現在,東芝,仏アレバなどは破綻の危機に瀕し,独シーメンスは原発事業から撤退,米GEも消極的姿勢に転じた。アメリカでは経営的理由による廃炉が相次ぎ,世界レベルで新規原発の建設中止や致命的遅延が続いている。(公社)日本経済研究センター(JCER)の最新の試算によれば,福島第一原発の事故処理費用は政府試算の3倍,70兆円になる恐れがあるとされ,原発事業が一私企業が扱うべき事業ではなかったことを強烈に示唆している。原発は,巨大なリスクそのものであり,地域社会から疎まれるマイナス要因でしかない。

撤退は巨額の損失を伴うが,それは底なしのリスクを回避する唯一の手段であり,将来に渡って発展していくために必要不可欠な投資である。決断は早ければ早いほど効果が大きい。国民の注目が集まる今こそ,他の事業者に先んじて脱原発宣言を断行すべき,またとない好機である。

 

【その2】

第5号議案 定款一部変更の件(2)

◆提案の内容
 以下の章を新設する。

第8章 浜岡原子力発電所の地震・津波対策の基本方針

 第46条 浜岡原子力発電所の地震・津波対策工事は,全基の廃炉準備工事の着工を
    前提として実施する。

◆提案の理由

 浜岡原発の敷地内には,H断層系といわれる断層があり,周辺8km以内には,明確な活断層が少なくとも8本存在する。また,浜岡原発は,迫り来る東海地震想定域のど真ん中に位置し,静岡県沖から四国・九州沖にかけて,3つの地震が同時発生(M9クラス)すると考えられている。

 浜岡原発の稼働中に巨大地震が起きた場合,福島原発事故と同等またはそれ以上の放射能漏れ事故が発生する可能性が高く,複合災害防災計画を立てる事は非常な困難が予想される。一方,運転停止中,また運転停止期間が長いほど,放射能漏れ事故を防ぐ対策を含め,現実的な計画を策定できる可能性は高い。

 浜岡原発は,全炉廃炉以外に地域住民をはじめ,国民の安全を確保しまた株主の持つ経営破綻に対する不安リスクを取り除く道はない。当社独自の耐震工事や防波堤等の津波対策は,廃炉を前提とし,最悪の事態に対処することが当社の緊急の最重要課題である。

 

その3】

第6号議案 定款一部変更の件(3)

◆提案の内容
以下の章を新設する。

第9章 発電部門の合理化

 第47条 本会社は,2020年の送配電,小売,発電部門の分社化と火力発電部門の株
    式会社JERAへの統合を行うにあたり,各部門におけるより一層の合理化
    を進め,電力・ガス自由化競争に勝ち抜く経営の柔軟性と体力を確保する。

  ② 前項を遂行するため,不採算部門である原子力事業は廃炉・廃棄物管理
   部門に集約する。

  ③ 再処理関連事業,原子燃料の開発プロジェクトへの出資及び債務保証は
   行わない。

 ④ 電力供給の有無にかかわらず毎年基本料金を支払い続けている北陸電力志
   賀原子力発電所及び日本原電敦賀原子力発電所との受電契約は解消する。

◆提案の理由

 当社は,発電部門のうち火力部門を東京電力HDと共同出資するJERAに統合し,原子力部門は当社HDに残すという。しかし,原子力事業は事故を起こさずとも採算割れが見えており,合理化しなければ経営を確実に圧迫する。

 停止中の浜岡原発は,維持費だけで毎年約一千億円を費消する。巨費を投じて対策工事を行っても,再稼働できず無駄になる可能性が大きい。たとえ稼働しても大地震による設備の被害で大損失が出る上,大事故になれば債務超過に陥る。福島原発事故関連費用は既に22兆円に増大し,更に膨張するのは確実だ。費用の一部は当社も負担させられる。

 再処理工場を運転する日本原燃への投資も,技術的経済的問題を克服できず,続ければ負債のサイクルと化すことは避けられない。

 GEやシーメンスは既に原発事業から手を引いた。当社も株主にこんな大きなリスクを負わせてまで,この事業を続ける必要はない。撤退こそ株価を上げ,株主のためになる。

【その4】

第7号議案 定款一部変更の件(4)

◆提案の内容 以下の章を新設する。

第10章 使用済み核燃料管理委員会

 第48条 本会社は浜岡原子力発電所で発生した使用済み核燃料の管理・保管の責任
    を負い,これを確実に行うため,以下のとおり「使用済み核燃料管理委員
    会」を設置する。

(目的)
  1 本委員会は,本会社が2011年までに発生させた使用済み核燃料を,将来に

    わたって最も環境負荷の低い方法で管理・保管するために,調査・検討及び
    計画の立案と検証を行い,以って地域住民の生命,健康及び財産の保護並び
    に持続可能な社会と国土の保全に資することを目的とする。

(任務)
  2 本委員会は,排出した使用済み核燃料の安全で最も環境負荷が低い長期保管
    の方法について調査・検討し,そのための事業計画を立案すること,また事
    業については会社が存続する限り随時検証し,改善計画を策定することを任
    務とする。

(再処理の中止と乾式貯蔵への移行)
  3 前項を遂行するために,環境に著しい負荷をかける使用済み核燃料の再処理

    は中止し,本会社が排出した使用済み核燃料は,速やかに水冷式プールから
    安全な乾式貯蔵キャスクに収納し,安全な貯蔵施設に移動する。

(組織)
  4 本委員会は,本会社との間に利害関係の無い外部専門家(法律家,技術的な

    専門家等),本会社の担当社員のほか,NGO代表,地域住民代表を必ず加
    えなければならない。

(対象とする使用済み核燃料と増加の禁止)
  5 対象とする使用済み核燃料は,2011年までに発生し,再処理工程に着手して

    いないすべての使用済み核燃料とし,それ以上に量を増加させてはならない。

◆提案の理由

 当社は現在,約9千体の使用中・使用済みの核燃料を浜岡原発原子炉建屋内の水冷式プールで保管している。水冷式のプールは,電源喪失により水の強制循環が止まると冷却不能に陥り,燃料がメルトダウンする恐れがあるので,巨大地震への備えとしてもより安定的な使用済み核燃料の保管が急がれる。当社も乾式貯蔵施設の建設を計画し,現在国の審査中であるが,本計画では現存する集合体すべてを収納するには足りず,早急に施設を増設する必要がある。

 一方,再処理工場は,技術的な問題もあり故障のない正常な稼働が期待できない。また,電力供給において再処理はまったく必要がなく,環境負荷も甚大なので,今後は中止することとする。

 発生させた使用済核燃料の敷地内貯蔵は恒久的なものとはせず,より長期的安全性を担保するため,恒久施設については,建設場所,設計,管理方法など本委員会が主導して調査・検討を行い適切な対応をしていくものとする。

 


 

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