Skip to content

今年の株主提案

2018年(第94期)の脱原発 株主提案

(2017年4月~2018年3月期)

【その1】

第○号議案  定款一部変更の件(1)

◆提案の内容

第31条を以下のとおり変更する。

<変更前>

(相談役及び顧問)

第31条 本会社は,取締役会の決議をもって,相談役及び顧問若干人を置くことができる。

<変更後>

(相談役,顧問及び参与)

第31条 本会社は,経営の透明性を確保するため,相談役,顧問及び参与の役職を廃止する。

◆提案の理由

本会社では,昨年6月現在,取締役経験者等が相談役に1名,顧問に5名選任されている。この他に参与が3名置かれているという。株主の信任を得ることもなく,報酬額も非公開でありながら経営に影響力を及ぼす可能性のあるこれら役職については,経営の透明性という点からも近年問題となっている。資生堂や伊藤忠商事,カゴメ,JT,日清紡等,既にこれらの役職の廃止を決めた企業も相次ぎ,東京証券取引所でも今年から業務内容や報酬の有無についての報告が求められるようになった。

本会社においても,電気・ガスの自由化と国内電力需要の縮小等で経営環境が急激に変化し厳しさを増す中で,より一層の国際化とイノベーションが求められる現在,院政とも揶揄される相談役・顧問や,あえて参与の肩書きで出向する役職を置く必要性は見出せない。取締役の員数を30名余から段階的に12名にまで減らしてきた意味も薄れる。

これらの役職は廃止すべきである。



【その2】

第○号議案  定款一部変更の件(2)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 原発事故緊急時避難対策

第○条 原発事故緊急時避難対策を目的として,周辺自治体,企業,病院,介護施設等と連携して,常設の地域協議会を設置する。

◆提案の理由

浜岡原発はM9クラスと想定される南海トラフ巨大地震の想定震源域に立地しており,事故を起こせば,半径31km圏の緊急防護措置区域(UPZ)内約95万人の避難が必要となり,圏内を横切る東名高速,東海道新幹線も大打撃を受ける。

これに対し,静岡県が策定の広域避難計画は,避難先や避難経路,輸送手段などが具体的に決まっておらず,地元住民からは「大渋滞や大量被曝が起きるのでは」と,その実効性について不安の声が上がっている。他方,中部電力では東京電力福島第1原発事故を受けて,重大事故への対応力強化を目的に年2回緊急事態対策訓練などの総合訓練を行っている。

しかしながら,どんなに最新の知見に基づく最高の訓練を行なっても,必ず「想定外」のことが起きる。迫り来る南海トラフ大地震に備え,早期にシビアアクシデント(苛酷事故)を想定した万全の避難対策を講ずることは,公益企業である本会社の喫緊の重要課題である。



【その3】

第○号議案  定款一部変更の件(3)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 広域原子力災害対策

第○条 本会社は,原子力事業者として浜岡原子力発電所の重大事故に備え,希望する者に対しては,安定ヨウ素剤の無償提供と服用に関する説明を受ける機会を保証する。

◆提案の理由

福島原発事故後,小児甲状腺ガン及び疑いのある子どもの数は,福島県内だけで少なくとも196人となった。100万人に3人程度と言われるガンが,38万人の調査でその数十倍の発症率である。検査は既に3巡目が終わり,スクリーニング効果説では説明できず,過剰診断説も,リンパ節転移など重症な患者も多く,手術を執刀した医師も否定している。

しかも患者は福島県内に留まらない。安定ヨウ素剤が適切に服用されていれば,これほどの多発は防げた可能性がある。

現在,浜岡原発では周辺5km圏について安定ヨウ素剤が事前配布,30km圏では備蓄されているが,緊急時には備蓄では間に合わず,また放射性ヨウ素がそれ以上拡散しないという保証もない。 ベルギーでは最近,原発から100km圏の住民に安定ヨウ素剤を事前配布した。

本会社は,原子力災害に対して事業者として万全の対策をとる責務があり,住民の被曝防護対策も行政任せにしてはならない。



【その4】

第○号議案  定款一部変更の件(4)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 再生可能エネルギーの優先接続

第○条 本会社は,電力ネットワークカンパニーにおける送電線の運用において,
再生可能エネルギーにより発電された電力の接続を優先する。

◆提案の理由

電力自由化に伴う送配電事業の分社化に向けて,本会社もカンパニー制を導入しているが,電力系統のルールの透明性,公平性,効率性については,現在経済産業省や関連業界の中でも改善の必要性が議論となっている。

固定価格買取制度により,再生可能エネルギー(再エネ)による発電量が,特に太陽光発電等で大幅に増えている。一方で大手電力の保有する送電網の空き容量が過少に見積もられ,他電力管内では再エネの接続制限が発生するという問題も発生した。本会社の送電線も,実際は平均利用率や混雑発生路線割合が低いにもかかわらず,空き容量がゼロとして公表されている路線が他社に比べても多い。これでは保有する設備が有効に活用されず,送電線増強費用の負担が増え,再エネの大量導入の足かせにもなりかねない。

稼働が見込めない原発等をベースロードにするのではなく,欧州や米国を見習い,再エネを優先的に接続できるような運用にしていく必要がある。



【その5】

第○号議案  定款一部変更の件(5)

◆提案の内容

以下の章を新設する。

第○章 核燃料再処理事業からの撤退

第○条 本会社は,実現性,採算性が見込めない再処理事業から撤退する。

この目的を果たすため,次のことを行う。

1 日本原燃株式会社への出資及び債務保証の解消

2 原子力環境整備促進・資金管理センターに積み立てている再処理等積立金の返還請求

◆提案の理由

本会社が核燃料再処理を委託する日本原燃株式会社は,昨年末,トラブルが相次ぐ再処理工場の竣工を更に3年延期すると発表した。24回目の延期である。既に当初予定から20年以上も完成が遅れ,建設費も当初の4倍近くの2兆9千億円に膨らんでいる。再処理工場の現状は,私たちが最初から指摘している通りである。

ガラス固化施設の技術的問題は根本的に解決されておらず,工事や保安検査体制のズザンさだけでなく,施設の老朽化も懸念される中で,たとえ操業にこぎ着けたとしても,今後も費用の膨張は避けられない。施設直下には,巨大活断層の存在も指摘されている。

本会社は,日本原燃に対して603億円の出資を行い,既に東京電力と日本原電が取り止めた多額の債務保証もまだ行っている。本会社を含む他の大手電力会社は,見返りに保証料をとることにしたようだが,事業のリスクはカバーできない。

再処理事業と日本原燃からは早急に手を引くべきである。

2017年(第93期)の脱原発 株主提案

(2016年4月~2017年3月期)

 

【その1】

第4号議案  定款一部変更の件(1)

◆提案の内容
以下の章を新設する。

第7章 脱原発宣言

 第45条 本会社は,以下の脱原発宣言を行う。

  「脱原発宣言」

一.中部電力は,長期的展望に立つ投資として,原子力による発電事業から完全に撤退する

一.中部電力は,所有するすべての原子炉の迅速かつ安全な廃炉,使用済み核燃料およびその他の放射性廃棄物の安全・安心・円滑な管理・保管および処分等のための情報資産を維持発展させ,人的資源,物的資源を積極的に投入する

一.中部電力は,前記情報資産の維持発展に加え,再生エネルギーなどの総合的によりすぐれたエネルギー源の研究開発にさらに取り組み,浜岡原子力発電所跡地をエネルギー研究の中核拠点として整備する

◆提案の理由

原発事業は,大きくかつ明白な経営リスクを抱えている。現在,東芝,仏アレバなどは破綻の危機に瀕し,独シーメンスは原発事業から撤退,米GEも消極的姿勢に転じた。アメリカでは経営的理由による廃炉が相次ぎ,世界レベルで新規原発の建設中止や致命的遅延が続いている。(公社)日本経済研究センター(JCER)の最新の試算によれば,福島第一原発の事故処理費用は政府試算の3倍,70兆円になる恐れがあるとされ,原発事業が一私企業が扱うべき事業ではなかったことを強烈に示唆している。原発は,巨大なリスクそのものであり,地域社会から疎まれるマイナス要因でしかない。

撤退は巨額の損失を伴うが,それは底なしのリスクを回避する唯一の手段であり,将来に渡って発展していくために必要不可欠な投資である。決断は早ければ早いほど効果が大きい。国民の注目が集まる今こそ,他の事業者に先んじて脱原発宣言を断行すべき,またとない好機である。

 

【その2】

第5号議案 定款一部変更の件(2)

◆提案の内容
 以下の章を新設する。

第8章 浜岡原子力発電所の地震・津波対策の基本方針

 第46条 浜岡原子力発電所の地震・津波対策工事は,全基の廃炉準備工事の着工を
    前提として実施する。

◆提案の理由

 浜岡原発の敷地内には,H断層系といわれる断層があり,周辺8km以内には,明確な活断層が少なくとも8本存在する。また,浜岡原発は,迫り来る東海地震想定域のど真ん中に位置し,静岡県沖から四国・九州沖にかけて,3つの地震が同時発生(M9クラス)すると考えられている。

 浜岡原発の稼働中に巨大地震が起きた場合,福島原発事故と同等またはそれ以上の放射能漏れ事故が発生する可能性が高く,複合災害防災計画を立てる事は非常な困難が予想される。一方,運転停止中,また運転停止期間が長いほど,放射能漏れ事故を防ぐ対策を含め,現実的な計画を策定できる可能性は高い。

 浜岡原発は,全炉廃炉以外に地域住民をはじめ,国民の安全を確保しまた株主の持つ経営破綻に対する不安リスクを取り除く道はない。当社独自の耐震工事や防波堤等の津波対策は,廃炉を前提とし,最悪の事態に対処することが当社の緊急の最重要課題である。

 

その3】

第6号議案 定款一部変更の件(3)

◆提案の内容
以下の章を新設する。

第9章 発電部門の合理化

 第47条 本会社は,2020年の送配電,小売,発電部門の分社化と火力発電部門の株
    式会社JERAへの統合を行うにあたり,各部門におけるより一層の合理化
    を進め,電力・ガス自由化競争に勝ち抜く経営の柔軟性と体力を確保する。

  ② 前項を遂行するため,不採算部門である原子力事業は廃炉・廃棄物管理
   部門に集約する。

  ③ 再処理関連事業,原子燃料の開発プロジェクトへの出資及び債務保証は
   行わない。

 ④ 電力供給の有無にかかわらず毎年基本料金を支払い続けている北陸電力志
   賀原子力発電所及び日本原電敦賀原子力発電所との受電契約は解消する。

◆提案の理由

 当社は,発電部門のうち火力部門を東京電力HDと共同出資するJERAに統合し,原子力部門は当社HDに残すという。しかし,原子力事業は事故を起こさずとも採算割れが見えており,合理化しなければ経営を確実に圧迫する。

 停止中の浜岡原発は,維持費だけで毎年約一千億円を費消する。巨費を投じて対策工事を行っても,再稼働できず無駄になる可能性が大きい。たとえ稼働しても大地震による設備の被害で大損失が出る上,大事故になれば債務超過に陥る。福島原発事故関連費用は既に22兆円に増大し,更に膨張するのは確実だ。費用の一部は当社も負担させられる。

 再処理工場を運転する日本原燃への投資も,技術的経済的問題を克服できず,続ければ負債のサイクルと化すことは避けられない。

 GEやシーメンスは既に原発事業から手を引いた。当社も株主にこんな大きなリスクを負わせてまで,この事業を続ける必要はない。撤退こそ株価を上げ,株主のためになる。

【その4】

第7号議案 定款一部変更の件(4)

◆提案の内容 以下の章を新設する。

第10章 使用済み核燃料管理委員会

 第48条 本会社は浜岡原子力発電所で発生した使用済み核燃料の管理・保管の責任
    を負い,これを確実に行うため,以下のとおり「使用済み核燃料管理委員
    会」を設置する。

(目的)
  1 本委員会は,本会社が2011年までに発生させた使用済み核燃料を,将来に

    わたって最も環境負荷の低い方法で管理・保管するために,調査・検討及び
    計画の立案と検証を行い,以って地域住民の生命,健康及び財産の保護並び
    に持続可能な社会と国土の保全に資することを目的とする。

(任務)
  2 本委員会は,排出した使用済み核燃料の安全で最も環境負荷が低い長期保管
    の方法について調査・検討し,そのための事業計画を立案すること,また事
    業については会社が存続する限り随時検証し,改善計画を策定することを任
    務とする。

(再処理の中止と乾式貯蔵への移行)
  3 前項を遂行するために,環境に著しい負荷をかける使用済み核燃料の再処理

    は中止し,本会社が排出した使用済み核燃料は,速やかに水冷式プールから
    安全な乾式貯蔵キャスクに収納し,安全な貯蔵施設に移動する。

(組織)
  4 本委員会は,本会社との間に利害関係の無い外部専門家(法律家,技術的な

    専門家等),本会社の担当社員のほか,NGO代表,地域住民代表を必ず加
    えなければならない。

(対象とする使用済み核燃料と増加の禁止)
  5 対象とする使用済み核燃料は,2011年までに発生し,再処理工程に着手して

    いないすべての使用済み核燃料とし,それ以上に量を増加させてはならない。

◆提案の理由

 当社は現在,約9千体の使用中・使用済みの核燃料を浜岡原発原子炉建屋内の水冷式プールで保管している。水冷式のプールは,電源喪失により水の強制循環が止まると冷却不能に陥り,燃料がメルトダウンする恐れがあるので,巨大地震への備えとしてもより安定的な使用済み核燃料の保管が急がれる。当社も乾式貯蔵施設の建設を計画し,現在国の審査中であるが,本計画では現存する集合体すべてを収納するには足りず,早急に施設を増設する必要がある。

 一方,再処理工場は,技術的な問題もあり故障のない正常な稼働が期待できない。また,電力供給において再処理はまったく必要がなく,環境負荷も甚大なので,今後は中止することとする。

 発生させた使用済核燃料の敷地内貯蔵は恒久的なものとはせず,より長期的安全性を担保するため,恒久施設については,建設場所,設計,管理方法など本委員会が主導して調査・検討を行い適切な対応をしていくものとする。

 


 

広告
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。